昔、読んだ本(1)「小泉八雲集」
昔、読んだ本(1)
「小泉八雲集」(新潮文庫)
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「関東心霊庁シリーズ」には、「芳一(ほういち)スーツ」と呼ばれる耐霊服が出てくる。経文のかかれたヘルメットと防護服を着用して、心霊現象から身を守るために使用される。特に人形乗り(パイロット)にとっては、自らが操縦する人形に呪い殺されないために、必要不可欠となっている。
元ネタはもちろん、小泉八雲の「怪談」のなかの「耳なし芳一のはなし」である。「耳なし芳一のはなし」は有名だから説明する必要もあるまい。
大人になって、「怪談」を読んで思い出したことがある。
小学生の頃、夏休みによく新潟の親戚の家に行った。海まで歩いていけるので、海水浴ができた。
そこにあった従姉妹の雑誌「小学何年生」だかに載っていた子供向けの怖い話を読んで、当時、低学年だったオレは震え上がった。
目のない女の幽霊が鈴を鳴らしているイラストがそれはもう怖かったのだ。
病気で亡くなった前妻が目のない幽霊となって、夫の再婚相手の新妻を殺すという話なのも覚えていた。
大人になって「小泉八雲集」を読んで、あの怖い話が「破られた約束」だったと気づいて、「おおおっ!」となったものだ。
「怪談」に関しては、子供の頃は、特に「ろくろ首」が大好きだったなあ。元武士の修行僧がろくろ首と対決するところがいいよね。
怖い話もいいのだが、大人になると、それ以外の話が良かったりもする。
「知られぬ日本の面影」のなかの「日本人の微笑」がとても良い。すごく好き。
人から話を聞いた「人形の墓」や「漂流」、自分が見たりした「停車場」も好き。