「関東心霊庁シリーズ」の制作話/ニュース/雑談など。

小説「関東心霊庁除霊局/自走式人形」の第1巻「お春改」第2巻「お夏MK2」第3巻「お秋」第4巻「水無月」第5巻「スミレ」についての制作話/ニュース/雑談などです。WEBサイト「関東心霊庁シリーズ」をご欄ください。https://oharukai.jimdofree.com

昔、読んだ本(3)「ぼくのまっかな丸木舟」

小学生低学年の頃に読んで、怖くて大好きだった本「ぼくのまっかな丸木舟」を何気に近所の図書館で検索をしたら、閉架にあったので、思わず借りる。

創作子どもSF全集である。つい小学校の放課後の図書館を思い出しそうになるが、もう覚えていない。
次の3冊を借りた。
「ぼくのまっかな丸木舟」
(久保村 恵・著/中村 宏・絵)
「砂のあした」
(小沢 正・著/井上洋介・絵)
「だけどぼくは海を見た」
(佐野三津男・著/中村 宏・絵)

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創作子どもSF全集で今でも記憶にあるのは、「ぼくのまっかな丸木舟」と「孤島ひとりぼっち」(矢野徹・著)と「消えた五人の小学生」(大石真・著)あたりか。

「消えた五人の小学生」は閉架のリストには無く、「孤島ひとりぼっち」は書庫にあるはずだが、見つけられなかったとのこと。残念。

児童向けなので、理屈はどうでもよくて、子どもが悪夢を見ている感じがして、不気味で怖くて、とても良い。お子様の情操教育にぜひ。

「ぼくのまっかな丸木舟」は、地上世界が滅びるから、子どもを水棲人間に改造しようという話。この不気味な表紙イラストが子どものオレにぐいぐい来たのだった。本のなかにあるイラストも不気味で素敵。SFとしては、終末モノか人体改造モノといえばいいのかな。
この表紙イラストは素晴らしい。小学生のオレのハートをわしづかみだった。真っ赤な丸木舟が台風で増水した川を下ってくるシーンはあるが、こういう感じではない。

「砂のあした」は、異常増殖する砂によって世界が覆われて人類が滅びるから、子どもを砂人間にしようという話。

どんだけ改造されるんだよ、子ども。

「だけどぼくは海を見た」は、朝、起きたら、家のまわりが海になっていたというシュールな話。

今回は読めなかった「消えた五人の小学生」も、もうすぐ人類は滅ぶから、子どもたちが地球から脱出するかどうかという話だったな。

大人は順応性がないから、子どもを改造したり、宇宙に送りこんだりするわけで、基本、人類が滅びる系が多い。

東西冷戦のまっただなかだったし、子どもながらに緊張感があったと思う。21世紀は迎えられるかどうかという時代だったからね。

ノストラダムスの終末予言におびえていた子どもたちへ!
あっさり、21世紀はやってくるよ。あまりパッとしないけど。