「関東心霊庁シリーズ」の制作話/ニュース/雑談など。

小説「関東心霊庁除霊局/自走式人形」の第1巻「お春改」第2巻「お夏MK2」第3巻「お秋」第4巻「水無月」第5巻「スミレ」についての制作話/ニュース/雑談などです。WEBサイト「関東心霊庁シリーズ」をご欄ください。https://oharukai.jimdofree.com

うずくまる巫女(実話)。

冬の夕方、オレはコンビニに出かけた。

日が暮れて、すっかり夕闇のなか、雑居ビルの1階の真っ暗なエントランスホールで、巫女さんがうずくまって、ごそごそ動いている。


「へえ、巫女さんがこんなところで、何を?……えっ? 巫女さん?」

思わず2度見する。

やはり、暗い場所で、外に背中を向けて、巫女さんがしゃがみこんで、壁だか床だかに何かをしている。

なんとなく「諸星大二郎先生の漫画っぽい」と思ってしまう。

なんだか見てはいけない現場のような気がして、それでも立ち止まって、そっとようすをうかがう。

すると、立て看板「巫女バー」がピカピカと輝いた。

その雑居ビルの2階には、巫女バーがあったのだ。巫女姿の店員さんによる、掃除や点灯などの開店準備だった。暗いところで、看板のプラグをコンセントに入れたり……。

オレは、「そんなもんですよね〜」と思って、立ち去った。